松葉ガニとズワイガニに違いはある?「松葉ガニ」の特徴
ズワイガニには産地によってブランド名が付けられていることが特徴的です。福井県で獲れるズワイガニは「越前ガニ」というブランド名で売られていることは【福井県産のズワイガニ「越前ガニ」の特徴】や【越前ガニとズワイガニの違い、カニが育つ環境について】でも掲載している通りですが、皆さんは「松葉ガニ」というカニのブランドもあることを知っているでしょうか?
実はこの松葉ガニという名称は、カニの種類ではなく、ズワイガニブランドとしての名称なんですね。よく「ズワイガニと松葉ガニってどこが違うの?」という質問をする方々がいらっしゃいますが、松葉ガニはズワイガニのブランド名の一つなので、ズワイガニと松葉ガニには違いというものはありません。
松葉ガニはカニの種類ではなく、越前ガニのように産地によって異なっているブランド名なのだということを、これを機会によく覚えておきましょう。それでは、ここからは松葉ガニの特徴について詳しく紹介していきたいと思います。
越前ガニは福井県のみで獲れるズワイガニですが、松葉ガニの産地は一つの県に限られていません。主な松葉ガニの産地としては、京都府、兵庫県、島根県、鳥取県が挙げられます。
これらの地域では、一般的にズワイガニのことを松葉ガニと呼んでいます。ズワイガニと呼ぶことは少なく、店頭で売る場合も「松葉ガニ」という名称が記載されています。
ズワイガニのことを松葉ガニと呼ぶ習慣は、松葉ガニの産地以外ではほとんど見られないことなので、松葉ガニ自体がカニの種類として知られてしまっているという勘違いは、こうした地域性が関係しているとも言えます。
そして松葉ガニは、地域によってさらにブランド名が細かく分かれていることも特徴です。京都府は丹後半島で獲れる松葉ガニが有名ですが、その漁港が「間人港」であることから、京都府で獲れる松葉ガニは「間人ガニ」というブランド名で売られています。
京都府と同じく関西地方の兵庫県では、主に津居山港で松葉ガニが獲れることから「津居山ガニ」と呼ばれています。
また、兵庫県では松葉ガニを獲る際に京都府の丹後沖と島根県と鳥取県における隠岐近くの海でも松葉ガニを獲っているので、そこから津居山港へ持ち帰られた松葉ガニの場合も同じく津居山ガニと呼んでいます。
京都府と兵庫県をさらに西へいった島根県では、隠岐諸島で獲れる松葉ガニがとても有名です。隠岐諸島で獲れた特に大きく品質も良い松葉ガニは「隠岐松葉ガニ」と呼ばれています。
そして最も松葉ガニの水揚げ量が多い鳥取県では「鳥取松葉ガニ」というブランド名で、松葉ガニが販売されています。このように松葉ガニは、松葉ガニというブランドの中でも細かくブランド名が分かれているので、産地によって違った松葉ガニを楽しむことができます。
越前ガニは福井県産のズワイガニのみですが、松葉ガニは様々な産地で獲れるため、よりズワイガニの味を広く楽しめる点も大きな特徴となっています。
では、最後に肝心となる松葉ガニの味ですが、ズワイガニの中でも非常に上品な甘みを持った味わいであることが松葉ガニの持つ味の特徴です。
身は細く長いですが、締まりが良いのでぷりぷりとした食感が楽しめます。ズワイガニ自体が品質の良いカニであることは確かですが、松葉ガニは特に質が高いズワイガニとして、日本の代表的な食材となっています。
皆さんもぜひ一度、松葉ガニの産地で本場の松葉ガニを食べてみてはいかがでしょうか?
カニなのにヤドカリ科?タラバガニとズワイガニの違いと特徴
カニにはズワイガニ以外にも非常に様々な種類があります。その中でもズワイガニと並ぶ人気を誇るカニが「タラバガニ」です。ズワイガニとタラバガニは、日本で消費されているカニの中でも特に人気が高く、どちらも美味しいカニとして知られています。
皆さんの中にもタラバガニを食べたことがあるという方々は多いかと思いますが、ズワイガニとタラバガニの具体的な違いというものは知っているでしょうか?
名称が違っていることはもちろんですが、ほかにもズワイガニとタラバガニには様々な違いがあるのです。それでは、ズワイガニとタラバガニの違いについて詳しく見ていきましょう。
まずズワイガニの生物としての分類から見てみると、ズワイガニはエビ目カニ下目クモガニ科と定義されています。かたい殻と脚が特徴的な「節足動物」という分類では、甲殻類に当てはまり、多くの甲殻類の中でも代表的なカニとなっています。
タラバガニもズワイガニと同様、節足動物の甲殻類に当てはまるのですが、生物としての分類はズワイガニと大きな違いがあります。
ズワイガニはエビ目クモガニ科という分類がされていますが、タラバガニはエビ目ヤドカリ下目タラバガニ科と分類されています。どちらもエビ目である点は同じですが、ズワイガニはカニ下目クモガニ科、つまりカニと分類されています。
そのズワイガニに対し、タラバガニはタラバガニ科である以前にヤドカリ下目と分類されていますね。実はタラバガニは、分類としてはカニではなく、ヤドカリの仲間なのです。
タラバガニ科であるタラバガニは、さらにタラバガニ属という属性に分類されますが、そのタラバガニ属の中にはタラバガニ以外にも「アブラガニ」や「ハナサキガニ」が分類されています。アブラガニやハナサキガニもタラバガニ同様、食用のカニとして知られていますが、実はヤドカリの仲間なんですね。
クモガニ科でもクモの仲間というわけではないズワイガニに対し、タラバガニは実際にヤドカリの仲間に分類されていることが、ズワイガニとタラバガニのまず一つの大きな違いになります。
では、続いてズワイガニとタラバガニの味の違いと特徴について見ていきましょう。まず、ズワイガニの味は甘みが強いことが特徴として挙げられます。数多くあるカニの中でも、甘みが強い身の美味しさはトップクラスです。
ちなみにズワイガニの種類では「本ズワイガニ」というズワイガニが、特に甘みの強いズワイガニとして人気が高く、身もやわらかくてしっかり詰まっていることも特徴的です。ズワイガニはどんなカニ料理にもぴったりなので、使い勝手も良いことも魅力ですね。
タラバガニはそんなズワイガニに比べて大型で、ボリューム感が高いことが魅力です。タラバガニの脚はかなり肉厚なので食べごたえは抜群なのですが、味が「大味」という点がデメリットとして挙げられます。
大味とは、食べ物の風味に細かい違いが見られないため、それほど多くの量が食べられなかったり、食べ続けていると飽きてしまうような味であることを言います。
タラバガニはこの大味が特徴的なので、タラバガニだけを食べ続けていると、飽きが出てきてしまうことがよく見られています。タラバガニは肉厚で非常に美味しいのですが、たくさん食べることはなかなか難しいため、カニをいっぱい食べたい場合にはズワイガニの方がおすすめです。
このように、ズワイガニとタラバガニには様々な違いがあります。カニを食べるときには、カニの風味や食べたい量やによって種類を選ぶと良いでしょう。
どっちが美味しい?ズワイガニと紅ズワイガニの味の違い
ズワイガニには様々な種類があることについては【ズワイガニの基礎知識、ズワイガニの種類とそれぞれの特徴】でも掲載していますが、ここではその中で紹介した「紅ズワイガニ」について、さらに詳しく見ていきたいと思います。
私たちが普段食べているズワイガニは「本ズワイガニ」というズワイガニで、一般的にズワイガニというと本ズワイガニと認識されています。
なので、ズワイガニと表記しても良いのですが、今回は主に紅ズワイガニとの比較をしていくので、わかりやすく本ズワイガニという名称で説明していきたいと思います。
それでは、本ズワイガニと紅ズワイガニの違いについて見ていきましょう。よくある質問として「本ズワイガニと紅ズワイガニはどっちが美味しいの?」という質問があります。
本ズワイガニは日本で最も多く獲れるズワイガニで、ズワイガニの代表格とも言えるズワイガニです。また味も甘みが強いことが特徴で、身もやわらかくしっかり詰まっているため、数多くあるカニの種類の中でも非常に美味しいカニとしても有名です。
本ズワイガニは「越前ガニ」や「松葉ガニ」といった様々なブランド名でも売られていることもあり、ズワイガニとしての魅力も認知度も高いズワイガニとなっています。
その本ズワイガニに対し、紅ズワイガニは味の面で非常に劣っていることがまず一つ目の特徴として挙げられます。本ズワイガニは甘みが強く、身がやわらかいことが特徴となっていますが、紅ズワイガニは甘みも弱く身がかたいので、本ズワイガニとはまるで正反対の味の違いがあります。
さらに本ズワイガニと比べると小型のカニであることも大きな違いで、身がギュッと詰まっているものはほとんどないため、ズワイガニとしての食べごたえも本ズワイガニには劣ります。
紅ズワイガニは主に日本やロシア、北朝鮮などで獲れるカニなのですが、日本で獲れる紅ズワイガニは、やっぱり本ズワイガニなどほかのズワイガニと比べてしまうと勝る面が無いに等しいため、美味しいズワイガニを食べたい場合は紅ズワイガニよりも本ズワイガニをおすすめします。
しかし、紅ズワイガニにも例外があることについては、ここでよく覚えておいていただきたいと思います。ほとんどの紅ズワイガニは身がしっかり詰まっていないので、食べごたえのないカニとなってしまっているのですが、稀に身がギュッと詰まった紅ズワイガニが獲れることがあります。
身がしっかり詰まっている紅ズワイガニはそう多く見られるものではないので、食べたことがないという方々がほとんどかと思います。でも実際に身の詰まった紅ズワイガニを食べた人の感想では、本ズワイガニよりも美味しく感じたという人もいらっしゃるので、「美味しくない」というイメージが強い紅ズワイガニを侮ってはいけません。
ただ、身がしっかり詰まっている紅ズワイガニに出会うことは本当に珍しいことなので、運が良くなければ本ズワイガニよりも美味しい紅ズワイガニにはめぐり会えないでしょう。そして美味しい紅ズワイガニは、どんなズワイガニよりも非常に貴重なズワイガニということにもなりますね。
なので、もしこれからズワイガニを食べる機会があった場合には、美味しい紅ズワイガニにめぐり会う確率は低いとしても、本ズワイガニではなく紅ズワイガニを選んでみるという手もあります。
本ズワイガニはもう食べ慣れてしまっているという人、紅ズワイガニを食べたことがない人、美味しい紅ズワイガニにめぐり会える自信があるという人など、紅ズワイガニに興味が湧いた方々はぜひ一度、紅ズワイガニを試してみてはいかがでしょうか?
ズワイガニの卵「内子」と「外子」について
ここではズワイガニの「内子」と「外子」について詳しく紹介していきます。内子と外子という名称は、雌ズワイガニの卵や卵巣のことを指しています。雌ズワイガニは産卵前までおなかに卵を抱えていますが、身はもちろん、この卵や卵巣も実に絶品なのです。
さらに雌ズワイガニは11月01月上旬までの間しか獲られないこともあり、食べられる時期も限られてくるため、雌ズワイガニの卵と卵巣は珍味としても有名となっています。
実際に雌ズワイガニの産卵が行われる時期は1月下旬03月の間なのですが、1月上旬を過ぎると資源保護のためズワイガニ漁は禁漁となってしまうので、雌ズワイガニの卵と卵巣はより貴重なものとして知られています。
それではまず、雌ズワイガニの内子について見ていきましょう。内子は甲羅の中に詰まっている雌ズワイガニの卵巣とかにみそになります。赤色をしたものが卵巣、茶色のものがかにみそです。
どちらも濃厚な味わいで非常に美味しいことから、好んで雌ズワイガニを選ぶ方々も少なくありません。雌ズワイガニの内子のファンはとてもたくさんいるんですね。
では、次に外子について見ていきましょう。内子は雌ズワイガニの卵巣でしたが、外子は雌ズワイガニのおなかに詰まった卵となります。ぷちぷちとした食感が絶妙な外子は、受精しているものと受精していないもので名称がわかれていることが特徴です。
一般的に受精している外子は「くろこ」、受精していない外子は「あかこ」と呼ばれています。くろこは暗めの赤色、わかりやすく言うと赤ワインのような色が特徴で、あかこは綺麗なオレンジがかった色をしています。
イクラなどのぷちぷちとした食感が好きな方は、きっと外子も美味しく食べられるのではないでしょうか?食感を楽しみたい場合には外子が、そして濃厚な味わいを楽しみたい場合には内子がおすすめです。皆さんの好みに合わせて雌ズワイガニの味わいを楽しんでみてくださいね。
このような内子や外子を持つ雌ズワイガニの種類としては、福井県産の「せいこガニ」、山陰地方の「セコガニ」や「親ガニ」、石川県産の「香箱ガニ」などが有名ですが、その中でも福井県産のせいこガニは特に美味しい雌ズワイガニと言われています。
ちなみに雌であるせいこガニと対になっている雄ズワイガニは「越前ガニ」と呼ばれているズワイガニで、こちらもまた実に甘みのある美味しいズワイガニとなっています。福井県産のズワイガニは雄も雌もそれぞれ違った味わいが楽しめることが特徴ですね。
また、以上で紹介したような福井県ではもちろん、それぞれのズワイガニの産地では、ズワイガニ漁が解禁になると地元のスーパーなどでズワイガニが多く販売されるようになります。
旬のズワイガニは値段が高いと思われがちですが、非常にお財布にやさしい値段で売られていることもまさに産地ならではとなっています。特に雌ズワイガニは雄ズワイガニよりも安く手に入るので、ぜひ皆さんもズワイガニの旬が始まる時期には、産地で雌ズワイガニを購入してみてはいかがでしょうか?
地元の料理屋さんなどでも旬の雌ズワイガニは食べられますので、ぜひ一度産地で本場の雌ズワイガニを食べてみることをおすすめします。
このように、ズワイガニは身だけでなく、卵や卵巣である内子や外子も美味しく食べられます。まだ内子や外子を食べたことがないという方々も、ぜひズワイガニの新たな一面を味わってみてはいかがでしょうか?
ズワイガニの基礎知識、ズワイガニの種類とそれぞれの特徴
ここではズワイガニの基礎知識について一緒に学んでいきたいと思います。皆さんはズワイガニにはいくつかの種類があることを知っていましたか?「ズワイガニ」と一口に言っても、実は特徴によって3つの種類に分類されている生物なのです。では、まずはズワイガニの種類とそれぞれのズワイガニの特徴について見ていきましょう。
一つ目のズワイガニは「本ズワイガニ」と呼ばれるズワイガニです。日本で最も多く獲れているズワイガニで、皆さんが普段食べているズワイガニもこの本ズワイガニになります。
特徴としては、ゆでるとオレンジがかった色に変化し、味に甘みがあり身がやわらかいことが挙げられます。以下で紹介するほかのズワイガニよりも味が良い点が非常に高く評価されているズワイガニです。
また、本ズワイガニはブランド性も高いので、日本各地では「ズワイガニブランド」を掲げ、それぞれ違った名称で本ズワイガニを売っている産地も数多くあります。
有名なものとしては「越前ガニ」や「松葉ガ二」などがありますね。越前ガニは福井県産の本ズワイガニ、松葉ガニは兵庫県、京都府、島根県、鳥取県で獲れる本ズワイガニのことを指しています。
越前ガニや松葉ガニをズワイガニとは別種類のカニだと思われている方々もとても多いのですが、実はズワイガニが獲れる産地ごとに名称が変わっているだけなのです。越前ガニも松葉ガニも同じ本ズワイガニということは、ズワイガニの基礎知識として覚えておきましょう。
二つ目のズワイガニは「大ズワイガニ」と呼ばれるズワイガニです。このズワイガニは日本で獲れることはないに等しく、主にロシアなどが産地となっているズワイガニになります。
大ズワイガニの特徴としては、本ズワイガニに比べて色が赤く、身がかためであることが挙げられます。甘みは本ズワイガニほどではありませんが、カニとしての旨味を感じる味となっています。
また、「大ズワイガニ」ということで、本ズワイガニよりも大型なカニであることも特徴です。見た目としては本ズワイガニよりも見栄えが良いため、高値で売買されることもあります。
以上の本ズワイガニは「オピリオ」、大ズワイガニは「バルダイ」という学名で呼ばれることもあります。日本においては本ズワイガニや大ズワイガニという名称なのですが、学術的な分類ではオピリオとバルダイという名称が一般的となっています。
オピリオやバルダイについては【「オピリオ」と「バルダイ」の特徴とズワイガニの近縁種について】でも詳しく紹介していますので、ぜひそちらもご覧になってくださいね。
そして三つ目のズワイガニは「紅ズワイガニ」と呼ばれるズワイガニです。紅ズワイガニは、本ズワイガニや大ズワイガニに比べると味がかなり劣るため、カニの中でも下級品となっていることが特徴です。
小さめで身も少ないものがほとんどなので、本ズワイガニや大ズワイガニよりもランクが下となっています。しかし、稀に身がしっかり詰まった紅ズワイガニが見られることもあり、そのズワイガニの味は本ズワイガニや大ズワイガニよりも美味しいとも言われています。
もし身が詰まった紅ズワイガニを食べる機会があれば、本ズワイガニや大ズワイガニと味を比べてみても面白いかもしれませんね。
このように、ズワイガニには様々な種類に分類され、それぞれに特徴があります。ズワイガニを選ぶときには、まずズワイガニについての基礎知識をよく学んでおくと良いでしょう。
ズワイガニはどこで獲れる?ズワイガニの主な産地
ここではズワイガニの産地について紹介していきます。ズワイガニがとれる地域は非常に様々で、全国各地にズワイガニの産地は存在しています。
そしてその産地ごとに「ズワイガニブランド」というものが作られ、ズワイガニという名称とは別のブランド名が付けられているズワイガニも数多くあるんですよ。それでは、ズワイガニブランドごとにズワイガニの産地を紹介していきましょう。
まず有名なズワイガニブランドである「越前ガニ」から紹介していきます。越前ガニという名称はズワイガニの中でも特に有名なものなので、皆さんもよく耳にすることがあるかと思います。
または越前ガニという名称は知っていても、ズワイガニとは違う種類にカニという認識をしていた方もいらっしゃるかもしれませんね。越前ガニはあくまでもズワイガニのブランド名なので、カニの種類というわけではないのでその点はよく覚えておきましょう。
そんな越前ガニの産地は、主に福井県の海域になります。「越前海岸」などで水揚げされるズワイガニであることから、越前ガニというブランド名が付けられるようになりました。
越前ガニを食べたい場合には、やっぱり産地である福井県に行って食べることがおすすめですね。ぜひ越前ガニの旬である1103月の時期に新鮮な越前ガニを食べに福井県に行ってみてはいかがでしょうか?
次に紹介するのは「松葉ガニ」というブランド名を持ったズワイガニです。松葉ガニの知名度は越前ガニほどではないですが、比較的よく知られているズワイガニブランドになります。
そして松葉ガニの特徴は産地が非常に多いことがまず挙げられますね。松葉ガニというブランド名でズワイガニを売っている産地には、兵庫県、京都府、島根県、鳥取県などがありますが、これらの産地で獲れるズワイガニはほとんどが松葉ガニというブランド名となっています。
松葉ガニが獲れる産地では、ズワイガニを松葉ガニと呼ぶことが当たり前となっていますが、例えば関東地方などの産地以外に住んでいる方々の間では、これほど多くの地域で松葉ガニという名称で呼ばれていることはあまり知られていません。松葉ガニというブランドは主に産地を中心として栄えているのです。
松葉ガニは兵庫県、京都府、島根県、鳥取県の山陰で獲れることが特徴で、さらに細かくブランド分けしている産地もあります。例えば島根県の隠岐諸島で獲れた松葉ガニは「隠岐松葉ガニ」、鳥取県で獲れた松葉ガニは「鳥取松葉ガニ」と呼ばれています。
そして京都府の丹後半島にある「間人港」で獲れる松葉ガニは「間人ガニ」、兵庫県の津居山港で獲れた松葉ガニは「津居山ガニ」と呼ばれています。松葉ガニという大きなブランドから、さらに産地によってブランド分けされていることが松葉ガニの特徴になります。
でもこれだけ多くの産地があったら、どの産地で獲れた松葉ガニなのかわからなくなりそうですよね。そこで松葉ガニの脚に付いている「タグ」が、松葉ガニの産地を見分けるポイントになっています。
隠岐松葉ガニは青地のタグ、鳥取松葉ガニは白地に赤色のタグ、間人ガニの場合は緑色の丸い形をしたタグに「間人ガニ」と書かれ、津居山ガニの場合はプラスチックでできた青色のタグが付けられています。ちなみに福井県産の越前ガニの場合は、黄色のタグが付けられています。
このように産地によってタグの色でブランド分けされていますので、どの産地で獲れたズワイガニなのかが一目でわかるようになっています。産地でズワイガニを選ぶときには、タグの色を参考にズワイガニを選んでみてくださいね。
家庭でも簡単にできるズワイガニの正しいさばき方
ここではズワイガニの正しいさばき方をご紹介しています。ズワイガニをさばくのは難しいと思っている方が多いと思います。しかも家庭でズワイガニをさばくなんて無理…と思っている方も多いでしょう。でもコツさえ掴めれば、とても上手にズワイガニをさばくことができるんですよ。では、ズワイガニの正しいさばき方を詳しく見ていきましょう。
まず、ズワイガニを平坦なところに置き、ズワイガニの甲羅をはずしていきます。ズワイガニの甲羅のはずし方は最初のうちは難しいかもしれませんが、順序立ててやっていけば大丈夫です。甲羅をはずす時は、ズワイガニの尻の方向から甲羅をはずしていくことがコツになります。上に持ち上げるイメージで、ズワイガニの胴体から甲羅をはずしていきましょう。
甲羅をはずしたら、次は甲羅と胴体をよく見てみてください。甲羅と胴体に「みそ」が付いているのがお分かりでしょうか。このみそというものは「かにみそ」と呼ばれるとても美味しい部分になります。
ズワイガニだけではなくて、毛蟹などのカニにもかにみそは付いています。甲羅と胴体に付いているかにみそは、ズワイガニの身部分とは別に食べることができますので、きれいにすくって取っておきましょう。
また、かにみその食べ方については【かにみそも美味しい!ズワイガニのかにみその上手な食べ方】で詳しく紹介しています。ズワイガニはかにみそまで美味しく食べることができますから、かにみその食べ方も是非参考にしてくださいね。
さらに甲羅を胴体からはずすと、胴体側の脚のあたりに白くビラビラしたものが付いていることが分かります。これはズワイガニの「ガニ」と呼ばれる部分です。ガニは食べることができませんので、きれいに取り除いておきましょう。
かにみそとガニをきれいに取れたら、いよいよズワイガニを切っていきます。ズワイガニの胴体の中央から包丁を入れ、胴体が縦に2つに分かれるように切ってください。胴体が分かれたら、脚をはずしていきます。
脚をはずした胴体部分は、脚の付け根から横に包丁を入れてさらに2つに割っていきます。ズワイガニの胴体と脚がしっかり分かれたら、食べる準備は完了です。
ズワイガニの胴体部分は、中央から包丁をいれて半分にすることでより食べやすくなりますよ。また、ズワイガニの脚も包丁で縦に切り込みを入れると食べやすくなりますし、脚の内側にはやわらかい部分があるので、そこを包丁を使って削ぎ、身を取りやすくすることもできます。
このように順序立ててさばいていくことで、家庭でも簡単にズワイガニを上手にさばくことができます。最初のうちは難しく感じる部分も多いと思いますが、何度も経験を重ねていくとコツが掴めるようになりますので、スムーズにさばけるようになりますよ。ズワイガニを美味しく食べるには、正しいさばき方が重要になりますから、さばき方をしっかり身につけておくと良いでしょう。
家庭でさばいたズワイガニはそのまま茹でたり焼いたりして食べるのはもちろん、鍋にして食べても美味しくなりますから、非常に様々な食べ方が楽しめます。
また、先ほども書いたような「かにみそ」まで美味しく食べることができるのも、ズワイガニの魅力です。ズワイガニをさばくときには、身部分だけでなくかにみそも美味しく食べられるようにきれいに取っておいてくださいね。
甲羅に黒い粒が…ズワイガニに付着している黒い粒の正体
皆さんはズワイガニをさばいたときや食べたときに、甲羅に黒い粒が付着しているのを見たことはありますか?ズワイガニの甲羅に黒い粒が密集するように付着しているのですが、この黒い粒の正体は一体何だと思いますか?
実はこの黒い粒の正体は、寄生虫の一種である「カニビル」の卵なのです。よく山などにキャンプに行ったりすると「ヤマビル」などに血を吸われてしまうことがありますよね。カニビルもそのヤマビルと同じヒルの仲間なのですが、ヤマビルのように人体に影響を及ぼすヒルではありません。
もちろんズワイガニにも悪影響を及ぼすことはないので、皆さんが食べようとしているズワイガニの甲羅に黒い粒が付着していても問題はないので安心してください。それではここからは、ズワイガニの黒い粒の正体についてさらに詳しく見ていくことにしましょう。
まず、最初に説明をしたように、ズワイガニの甲羅に付着している黒い粒はカニビルの成虫ではなく、カニビルの卵になります。
ズワイガニの甲羅にはカニビルの卵である黒い粒が付着している様子がよく見られていますが、成虫が付着することはほとんどありません。黒い粒自体がカニビルということではないので、ズワイガニの甲羅に黒い粒を見かけたときには、成虫ではなく卵と認識しましょう。
そして、先ほども書いたように、カニビルの卵はズワイガニに対して悪影響を及ぼすわけではないので、甲羅にたくさん付着していても何の問題もありません。
もちろんカニビル自体もズワイガニに悪影響を及ぼすことはありませんので、もし成虫が付着していた場合にも心配はいりませんよ。むしろカニビルの卵がたくさん付着しているズワイガニこそが美味しいズワイガニと言われています。
では、なぜカニビルの卵がたくさん付着していると美味しいズワイガニということがわかるのでしょうか?それにはズワイガニが獲れる海の環境が大きなポイントとなっています。
ズワイガニには各海域で獲れますが、海域によってズワイガニが育つ海の環境というものが違っています。例えば福井県の海域で育ったズワイガニ(越前ガニ)、オホーツク海で育ったズワイガニ、北陸地方の海域で育ったズワイガニ、といったように、ズワイガニはそれぞれ育つ海域が異なっているのです。
ズワイガニはどんな海の環境でも育つ生物ではないので、地域ごとの海の環境こそが美味しいズワイガニを育てるといっても過言ではありません。
そして、そこに関わってくるのがカニビルです。実はカニビルという寄生虫は、ズワイガニが健康に育ちやすい環境に生息すると言われているヒルの仲間なのです。そのため、良い環境の海で獲れたズワイガニの甲羅には、カニビルの卵がたくさん付着しているということになります。
また、カニビルの卵が付着したままの甲羅の状態を保っているズワイガニは脱皮の回数が少ないこともあり、身がギュッと詰まった状態であることも事実です。これが、甲羅に黒い粒がたくさん付着しているズワイガニほど、美味しいズワイガニと言われている理由です。
なので、ズワイガニに黒い粒が付着していることがあっても、ズワイガニが新鮮な状態ではなくなっているわけではありません。
ただ、たくさんのカニビルの卵が付着している状態は、虫が苦手な方々にとっては少し見た目が気持ち悪く感じるかもしれませんね。でもカニビルの卵自体は人体にも悪影響はありませんので、安心してズワイガニを食べて大丈夫ですよ。
ズワイガニは「クモガニ科」ズワイガニとクモの関係
【ズワイガニってどんな生き物?ズワイガニの生態】では、ズワイガニの生態について詳しく紹介していますが、ここではそちらでも少し説明したズワイガニの分類についての話をさらに詳しく見ていきたいと思います。
ズワイガニは「エビ目カニ下目クモガニ科」の分類になりますが、この分類名に入っている「クモガニ科」について深く掘り下げていくことにします。ズワイガニはもちろんカニの仲間ですが、分類としてはクモガニという名称になっています。
このクモガニというのは、ズワイガニの別名です。あまり聞き慣れない名称かもしれませんが、聞いたことがある方も中にはいらっしゃるのではないでしょうか。ズワイガニはクモのような細く長い脚を持っていることから、クモガニとも呼ばれているのです。そのため分類も「クモガニ科」ということですね。
もちろんズワイガニの仲間である「紅ズワイガニ」も、クモガニ科のカニに分類されます。ズワイガニと紅ズワイガニとは味に大きな差がありますが、分類としては同じクモガニとなっています。紅ズワイガニについては【どっちが美味しい?ズワイガニと紅ズワイガニの味の違い】で詳しく紹介していますので、紅ズワイガニについて知りたい方はそちらをご覧くださいね。
そのほか、クモガニ科に属するカニとしては「タカアシガニ」なども挙げられます。皆さんはタカアシガニというカニを知っていますか?タカアシガニは最も古い種類のカニで、よく「生きている化石」と呼ばれるカニでもあります。
本物のクモのように細く長い脚を持っていることが特徴で、比較的脚の長いズワイガニと比べてもその差は歴然です。まるで大きなクモのような見た目をしているタカアシガニは、多くの「節足動物」の中でも世界最大級と言われています。ちなみに節足動物とは、かたい甲殻と関節を持った生物の分類になります。昆虫、甲殻類、鋏角類、多足類の4つに分類されています。
タカアシガニはズワイガニと同様に食用のカニですから、食べる機会もあるかと思いますので、同じクモガニ科であるズワイガニとの違いを比べながらタカアシガニを食べてみても良いかもしれませんね。
このようなズワイガニやタカアシガニが属するクモガニ科のカニに対し、タラバガニはタラバガニ科、毛ガニはクリガニ科、といったようにカニの種類それぞれで属している科も異なっています。
世界にはそれは多くの種類のカニが存在していますが、クモに近いかたちを持っているカニとしては、ズワイガニやタカアシガニくらいなのです。
では、ズワイガニとクモには実際にどんな関係性があるのでしょうか?クモガニ科という名称もあるくらいですから、何か深い関係性があるように思われがちですが、ズワイガニとクモはまったくの別種となっています。
ズワイガニとクモは大きく分けると、先ほど少し紹介した「節足動物」と呼ばれる分類に属することになりますが、さらに細かい分類によるとズワイガニは「甲殻類」クモは「鋏角類」に属することになるので、ズワイガニとクモには節足動物である以上の関係性は見られていません。
「ズワイガニはクモ科」という話を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、ズワイガニはズワイガニ、どこをどう取ってもカニの仲間です。
ズワイガニはクモガニ科であることに間違いはありませんが、ズワイガニはクモの仲間というわけではなく、あくまでもクモに似ているかたちを持ったカニの一種という認識が正しいのでよく覚えておきましょう。
ズワイガニに寄生している寄生虫の種類と特徴
ズワイガニには、様々な寄生虫が付着していることを知っていましたか?「寄生虫がいるなんて気持ちが悪い…」と思われる方々も多いかと思いますが、すべての寄生虫がズワイガニやズワイガニを食べる私たちに影響を及ぼすものではありませんので、その点は安心してください。
しかし、ズワイガニには多くの寄生虫が付着していることは事実ですので、ここではズワイガニに付着している寄生虫の種類とその特徴、そしてズワイガニに寄生虫が付着していたときの対処法などについて詳しく紹介していくことにしましょう。
では早速、ズワイガニに付着している寄生虫の種類と特徴について見ていきます。主にズワイガニに付着している確率が高い寄生虫としては「カニビル」の卵が挙げられます。
カニビルという名称はあまり聞いたことがないかもしれませんが、ヒルの一種でズワイガニが獲れる海に生息している寄生虫になります。ズワイガニの甲羅にはよく黒い粒が付着していることがありますよね。それがカニビルの卵です。
きっと「この黒い粒はなんだろう?」と不思議に思っていた方々も多いと思います。黒い粒は主に甲羅にたくさん付着していることが特徴として見られていますが、これはカニビルの卵なので決してズワイガニの状態が悪いわけではありません。
むしろカニビルの卵がたくさん付着しているズワイガニこそ、身がしっかり詰まっていて美味しいズワイガニと言われていますので、黒い粒がたくさん付着しているズワイガニに出会ったら運が良かったと思ってOKです。
カニビルの卵については【甲羅に黒い粒が…ズワイガニに付着している黒い粒の正体】でも詳しく掲載していますので、そちらもぜひご覧になってみてくださいね。
ズワイガニに付着している寄生虫は、主にこのカニビルとなりますが、そのほかにも寄生虫が付着していることがあります。ここからは、カニビル以外の寄生虫について見ていきましょう。
ズワイガニはカニビル以外の寄生虫が生息することはあまり見られませんが、もくずガニや沢ガニなどには「ウェステルマン肺吸虫」や「肺臓ジストマ(肺吸虫)」などの寄生虫が付着していることがほとんどです。
肺吸虫が体内に入ると、肺気腫や気胸などの症状を引き起こす非常に危険な寄生虫です。ズワイガニに寄生することは無いに等しいのですが、ズワイガニに以外のカニを食べる場合には寄生虫をしっかり対処してから食べるようにしてください。
しかし、このような寄生虫がズワイガニに付着していることも稀に考えられますので、ズワイガニを食べる前には対処をしておくことをおすすめします。前もって寄生虫を対処することで安全にズワイガニを食べることができますので、対処法をよく覚えておきましょう。
ズワイガニに寄生虫が付着していた場合の対処法としては、加熱処理が最も手っ取り早く、そのままズワイガニを調理できてしまうのでおすすめです。
ズワイガニをゆでる、焼く、煮る、蒸す、といったように、加熱処理をすれば寄生虫は死滅しますので、ズワイガニを調理するときには必ず加熱処理を行うようにしましょう。
ただし、これは生のズワイガニの場合になります。すでにゆでてあるズワイガニの場合は加熱処理が済んでいますので、そのままズワイガニを料理してしまって構いません。
寄生虫が付着していることを心配する方々もいらっしゃいますが、こうして加熱処理をすれば安全にズワイガニを食べることができますので、安心してズワイガニを料理してくださいね。
